ニキビやほてり、化粧ノリの悪さなど、生理前の肌荒れに悩む女性は少なくありません。
トラブルが起きやすいのはいつから?なぜそうなるの?
体のサイクル(生理周期)とホルモンの関係を知ることで、その対策が見えてきます。
気持ちまで落ち込みやすいこの時期、正しい知識と対処方法を身につけて自らの肌と賢く付き合うようにしましょう。
まずは女性ホルモンについて知ろう!
約1カ月の周期の中で変化する女性の心と体。
これには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれる2つの女性ホルモンのバランスが密接に関わっています。
エストロゲンは肌や髪の潤いやハリを保ち、女性らしい丸みを帯びた体をつくる役目を担うホルモン。
集中力、記憶力のアップや自律神経を安定させる作用も持っています。
一方のプロゲステロンは、子宮内膜を整え基礎体温を上げるなど、妊娠をつかさどる重要なホルモンですが、皮脂の分泌を活発化させ、角質層を厚くするという一面から、ニキビや乾燥などを引き起こす原因になります。
また、メラニンの生成を促すためシミの一因とも言われているのです。
生理周期と肌荒れの関係
ここからは生理中、生理後および生理前という3つの時期に分けて、女性ホルモンと肌の関係を見ていきましょう。
まず、生理中はエストロゲン、プロゲステロン共に分泌が少なくホルモンの影響を受けにくい時期。
生理痛や血液循環の悪さから、心身の状態は不安定となりますが、後半になるにつれ徐々に肌のコンディションは整ってきます。
生理後は相対的にエストロゲンの量が高くなり、肌はツヤツヤに。
ニキビなどもできにくく、思考もポジティブになることから、女性が1カ月の中で最も調子の良さを感じられる期間です。
変わって排卵を機にプロゲステロンが優勢となると、精神面や体調、肌状態も下り坂に。
生理前にニキビなどの肌トラブルが頻発するのは、このプロゲステロンの影響下にあるからなんですね。
一般的な生理周期を28日とすると、排卵後の15日目から28日目までが、生理前=肌荒れを起こしやすい時期、ということになります。
1カ月の中で自分の肌荒れはいつからいつまでだろう?と思った時は、この生理周期に当てはめて考えることで、トラブルの傾向を把握しやすくなります。
対策と対処法を知って健やかに
スキンケアなど外側からの対策はもちろん、生活習慣の見直しなど内側からの対策も大切。
合わせて行うことで生理前の不調を和らげることができます。
まず、過剰に分泌された皮脂は優しく洗い流し、肌を清潔に保ちましょう。
ただし洗い過ぎは逆効果。
必要な皮脂まで落としてしまうと乾燥を招きます。
こうなると肌を守ろうとして、さらに皮脂が分泌されるという悪循環がおこり、結果的に毛穴が詰まるなどして新たなニキビの原因になることも。
朝晩2回の洗顔は、あくまで優しくソフトに。
こすり洗いは厳禁です。
お湯ではなく水を使うことも推奨されています。
ピーリングもニキビ改善には有効な手段ですが、この時期の敏感な肌には刺激が強すぎる場合も。
スクラブ入り、フルーツ酸入りなどの洗顔料やジェルの使用は一旦避け、そういった積極的なケアはむしろ、生理後の安定期に取り入れてみてください。
洗顔後は保湿中心のシンプルケアを。
化粧水はたっぷりと使い、肌の潤いを保つようにしましょう。
保湿によって肌のバリア機能をキープすることが、トラブルのない肌作りの基本となります。
浸透しやすく保湿効果の高い商品を選ぶことも重要です。
人型セラミド配合の化粧水はこの点において非常に優秀なアイテム。
力強い味方となるものなので是非覚えておきましょう。
前述のとおり、生理前の肌に刺激は厳禁!
基礎化粧品もまた、敏感肌用など低刺激なものを選んでくださいね。
食事にも気をつかえるとベストです。
皮脂のさらなる分泌につながりかねない、高カロリー、高脂肪の食事は控え、皮膚の代謝を促すビタミンB群を多く含む食品を意識的に選びましょう。
レバーやナッツ、ほうれん草などがその代表です。
また大豆に含まれるイソフラボンはエストロゲンに似た効能を持つことで知られています。
納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品を積極的に摂り入れるのもよい方法です。
便秘を防ぐために、食物繊維や乳酸菌も活用してください。
腸内環境の改善が肌状態向上にもつながります。
ストレスもまた、肌には大敵。
環境が許せば、ゆっくりお風呂に入る、ハーブティーを飲む、読書タイムを作るなど、一人一人が心地よく感じられる時間を作るようにしましょう。
またストレスを溜めないこと、スムーズな肌の再生を促すこと、このどちらの観点からも睡眠が重要となります。
十分な睡眠時間を確保すると共に、眠りの質にも着目してみてください。
リラックス効果のあるアロマやマッサージを取り入れるのもおすすめの方法です。
生理前ニキビ 自分の「いつから」を知って賢く対処しよう!
大人の肌荒れには様々な要因があるとされていますが、その中でも女性ホルモンの働きによると考えられるものが少なくありません。
いつから?の答えを出すとすれば、それは排卵後から生理までの期間と言うことができます。
自分の生理周期を知ることが変化しがちな肌と上手く付き合う第一歩です。
それはやがて、自らの体や心全体と向き合うことにつながっていくでしょう。