薄毛とは、何らかの原因で髪の毛が抜けやすくなったり細くなったりして、毛の生え方がまばらになってしまうことです。
髪の毛が薄くなる原因は、主にヘアサイクルの乱れとなっています。
サイクルが乱れることによって髪の毛が十分に育たなくなり、毛が抜けやすくなってしまうのです。
今回は、薄毛になる原因やケア方法についてご紹介します。
健康な人でも髪の毛は抜ける
成人男性の髪の毛の量は約10万本ほどあり、少ない人では6万本ほどです。
毛穴は生まれてから減ることがなく、髪の毛が多い人は一つの毛穴から複数の髪の毛が生えています。
また、髪の毛は一日に0.3~0.4mmずつ伸び、生え変わっているので髪の毛が抜けること自体は問題ありません。
健康な人でも一日に平均で50~100本は抜けると言われています。
大事なのは量ではなく、抜け毛の質や毛根です。
健康的なヘアサイクルを経て抜けた髪の毛は長くて太いのが特徴ですが、ヘアサイクルが乱れている人は細く弱々しい髪の毛が多く、毛根自体もデコボコして汚れてしまっています。
ヘアサイクルとは
毛周期(ヘアサイクル)とは、髪の毛が生えてくる環境のリズムのことです。
ヘアサイクルには3つの段階があります。
まず成長期は髪の毛を成長させる時期で、男性で約3年~5年、女性で約4年~6年となっています。
退行期は、髪の毛の成長が止まり始める時期です。
最後の休止期では寿命を迎えた髪の毛が抜け、また成長期に向けて準備が行われます。
ヘアサイクルが乱れると成長期が短くなり、髪の毛が十分に育たないまま抜けてしまいます。
また、人がヘアサイクルを繰り返す回数は無限ではなく限界があり、一生のうちに15回ほどです。
ヘアサイクルが乱れると、一連のサイクルが一周するまでの期間が短くなります。
そして、ヘアサイクルの回数が限界を迎えると髪の毛は2度と生えてこなくなってしまうため、できるだけ早めに抜け毛対策をする必要があるのです。
なぜヘアサイクルが乱れるのか
抜け毛には男性ホルモンが関係していると言われますが、男性ホルモンが直接抜け毛に関わっているわけではありません。
抜け毛が増えるのは、ジヒドロテストステロン(DHT)という悪玉の男性ホルモンの影響です。
テストステロンが男性の頭皮に存在する5αリダクターゼと呼ばれる酵素と結合することにより、ジヒドロテストステロンに変化します。
ジヒドロテストステロンはへアサイクルにおける成長期を短縮させる作用があり、成長期が数ヶ月から1年と大幅に短くなります。
そうすることにより、髪の毛が育たないままで退行期を迎えてしまうのです。
これが原因となる薄毛はAGA(男性型脱毛症)と診断されることが多く、この作用は遺伝による影響も大きいと言われています。
血流不良もヘアサイクルの乱れの原因に
血流不良になると髪の毛の成長が鈍ったり、髪の毛を立たせる頭皮の筋肉の力が弱まり、抜け毛の原因となります。
髪も体の一部であり、血液が髪の毛に栄養を運んでいるのです。
血行不良になることで毛細血管から栄養を補給できなくなり、髪の毛の元気がなくなってしまいます。
血行不良は生活習慣の乱れが大きく影響しています。
慢性的な運動不足やストレス、睡眠不足などが髪の毛の不調に影響を与えるのです。
ストレスは自律神経やホルモンを乱し、血流を悪化させます。
睡眠不足はホルモンバランスを乱したり、寝不足によるストレスでも毛細血管が収縮し、髪の毛に栄養が十分に届かなくなってしまうのです。
他にも、頭皮に合わないシャンプーを使ったり、紫外線によるダメージによって髪の毛が抜けやすくなります。
秋は一年の内で最も抜け毛が多い季節ですが、夏の強い紫外線によるダメージが影響していると言われています。
薄毛の対策法
薄毛の対策法はヘアサイクルを乱している原因を見極め、改善することです。
ストレスを溜めすぎたり、日々の睡眠不足は血行不良を招き、薄毛に直結してしまいます。
ストレスをため込まないように、何でも我慢せずに好きなことをする時間を作ることも必要です。
睡眠は最低でも毎日6時間以上取ることを心がけましょう。
特に午後10時から午前2時の間はゴールデンタイムと言われ、成長ホルモンが多く分泌されるため、健康な髪の毛を作ることができます。
怒りっぽいと感じる方はまずはぐっすりと睡眠を取りましょう。
運動不足も血流不良を招きます。
ジョギングやサイクリングを毎日の生活に取り入れることで運動不足を解消するだけでなく、ストレスを発散することもできます。
薄毛のケア方法
薄毛のケア方法でおすすめなのが、頭皮のマッサージです。
頭皮が硬いのは血流不良が大きく関係しており、血管が圧迫され髪の毛の成長を阻害します。
頭皮をマッサージして、頭皮の血行を促しましょう。
抜け毛が多いと気にしている人は、シャンプーの時に強くごしごしと洗っている可能性があります。
髪の毛の汚れを落とすのに力を入れる必要はなく、シャンプーの泡を流すだけで十分に汚れは取れます。
シャンプーする時は優しく手のひらでマッサージするだけで十分です。
そうすることにより抜け毛が圧倒的に減り、抜け毛による精神的ストレスを軽減することに繋がるでしょう。
また、髪の主成分はたんぱく質でできており、健康な髪の毛の生成や成長に重要な成分です。
食事の時はたんぱく質を摂取することを意識しましょう。
肉やチーズ、大豆、卵などに多く含まれています。
炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルと一緒に摂ることで体内に吸収されやすくなりますから、バランスの良い食事を意識しましょう。
生活習慣を見直そう
ヘアサイクルの乱れが主な薄毛の原因です。
生活習慣を正すことで血行不良を改善し、髪の毛の成長を促すことができるようになるでしょう。
AGAだったとしても効果的な育毛剤を使ったり、食生活で栄養を摂取したり、ストレスのない生活を送ることで対策することができます。
薄毛と戦うためにはまずは薄毛の原因を見極めて、それを改善できるように行動することが大切です。