シャンプーのときに抜け毛が気になると、「病気なのではないか」と不安になる人もいるかもしれませんね。
自分の抜け毛が異常かどうかを知りたいときは、毛根をチェックする方法があります。
円形脱毛症やAGAになると、毛根にも一定の特徴が現れてきます。
ここでは、トラブルが疑われる毛根のタイプをいくつか紹介しながらが、毛根と抜け毛の関係について解説します。
髪は毛根にある毛母細胞の分裂によって作られる
抜け毛の原因を知りたいときは、毛根の組織の構造を押さえておくと役立ちます。
正常な毛根は膨らみがある
発毛のプロセスでは、毛根にある毛乳頭が血管から酸素や栄養分を吸収し、毛母細胞が細胞分裂をすることで毛が作られていきます。
毛乳頭や毛母細胞の部分は毛球と呼ばれており、健康な場合は根元が丸く膨らんでいます。
毛母細胞がどんどん成長していくと、毛が伸びて皮膚の表面に毛髪が現れてくるわけです。
毛母細胞がスムーズに成長するためには、血管から十分な栄養分や酸素を得ることが必要です。
何らかのトラブルによってこのような成分がうまく吸収できなくなると、毛母細胞の分裂がストップしたり、分裂のペースが遅れたりします。
形が異なるときは異常が疑われることも
毛母細胞の成長がスムーズでない毛根の毛球は、健康な毛球と少し異なる特徴が見られることが多いです。
原因になっているトラブルによって形や色、付着物などが変わるため、抜け毛の原因を知りたいときは毛根を見るのが1つの方法になってきます。
毛根の形や色と抜け毛の関係
毛根の形や色は、さまざまな条件で変わってきます。
抜け毛の毛根によく見られるのが、次のようなパターンです。
毛根部分がマッチ棒のように膨らんでいる
根元がマッチ棒のように膨らんでいる抜け毛は、健康な髪です。
このような抜け毛は、毛乳頭にも十分に栄養分が行き渡っている可能性があります。
髪の毛は、成長期、退行期、休止期の3つのヘアサイクルに沿って成長をしています。
古い髪が抜け落ちて、新しい髪を作る準備をするのが休止期の段階です。
このような段階で抜け毛が見られるのは、ごく普通のこと。
健康な人の場合、1日に100本程度の抜け毛であればとくに心配はありません。
毛根に膨らみがなく真っすぐな形をしている
毛根部分に膨らみがない抜け毛は、毛乳頭が栄養不足に陥っていることが多いです。
食生活が乱れて発毛に必要な栄養が摂取できていなかったり、血行不良で栄養分を頭皮にスムーズに運べなかったりすると、このような状態になるケースがあります。
また、毛根の膨らみがまったくないときは、AGAや抜毛症なども疑われます。
AGAは、ホルモンの影響で毛が十分に育つ前に抜け落ちてしまう病気です。
健康な髪よりも成長期が短く、発毛しにくくなるのがAGAの典型的な症状。
また、子どもやストレスを抱えている人に多い抜毛症の場合も、毛根に膨らみがない場合があります。
この病気になると、無理に毛を引き抜いてしまいます。
引き抜くときに毛根の部分が切れてしまうと、膨らみがなく見えることもあります。
毛根の部分が細い
毛根の膨らみが小さく、細い場合も、原因として考えられるのは毛乳頭の栄養不足や血流の悪さです。
栄養分を毛乳頭に供給しにくくなっていると、毛母細胞の成長が阻害されて毛根が細くなることがあります。
毛根から小さな毛が生えている
毛根の部分から小さな毛が生えているときは、十分に成長する前に毛が抜けてしまっていることが多いです。
原因としては、栄養不良やストレス、血行不良、乾燥などが考えられます。
毛根がギザギザとした形をしている
毛根がギザギザとした形をしている場合は、ストレスや無理なダイエットなどで毛の成長のペースが乱れたことが疑われます。
脱毛などで毛根にダメージを与え続けた場合も、このような状態になることがあります。
毛根の尖端が尖っている
毛根の先端部分が尖っているときには、円形脱毛症やストレスの影響、ホルモンバランスの乱れなどが原因になっている可能性が高いです。
毛根の部分が白い
毛根が白い場合は、とくに異常ではありません。
毛に黒いメラニン色素が供給されると、毛根の部分が白くなります。
付着物があるときの抜け毛の原因
毛根に付着物があるときは、どのような色をしているかが1つのチェックポイントです。
白い付着物がある
抜け毛の毛根に白いものが付いているときは、頭皮環境が悪くなっている可能性があります。
多くの場合、毛根の白い付着物は皮脂です。
こういった症状が見られるときは、皮脂分泌が活発になり過ぎて毛穴に汚れがたまっていたり、皮脂で頭皮に炎症が起きていたりすることがあるため要注意。
毛穴が皮脂で塞がれてしまうと、毛がスムーズに成長できずに抜けてしまうことがあります。
また、炎症によって抜け毛が増えるケースも少なくありません。
状態が悪化すると、脂漏性脱毛症のような皮膚の病気になることもあるのが厄介なところです。
合わないシャンプーを使っていたり、十分に頭皮を洗っていなかったりする人は、皮脂分泌が増えてしまうケースがあります。
半透明の付着物がある
付着物が半透明のときは、とくに心配する必要はないでしょう。
半透明の付着物は、皮膚と毛根の間にある毛根鞘と呼ばれる組織です。
抜け毛に毛根鞘が付いていても、問題はありません。
まずは毛根のセルフチェックで抜け毛の原因をつかもう
毛根のチェックは、自分でも比較的簡単にできます。
抜け毛が気になるときは、ここで紹介したような毛根のパターンを参考にして、原因を探ってみてください。
抜け毛には、AGAや円形脱毛症のように病院での治療が必要なケースもあります。
しかるべき対策を立てるためにも、セルフチェックは早めに行ったほうがよいかもしれませんね。