鏡を見るたびに憂鬱な気分になるニキビですが、皮膚科に行くと治療の一環として潰すという方法が取られることがあります。
ニキビの中でも最もひどい状態とも言われるしこりニキビは、このような治療で大丈夫なのでしょうか。
間違った方法でニキビを治療することは、悪化させたりニキビ跡を残してしまうことへつながります。
そこで、しこりニキビの原因や正しい治し方について紹介していきます。
ニキビにも種類があるって本当?
ニキビはその進行具合によって分けられています。
一番初期の段階が白ニキビ、次に黒ニキビ、そのあと赤ニキビ・黄ニキビへと進んでいくのです。
ニキビとは毛穴に皮脂が溜まってしまうことを指しています。
まだ詰まったばかりで、白く盛り上がっているのが白ニキビと呼ばれるごく初期のニキビです。
白ニキビにある毛穴が開いて、詰まった皮脂の表面が黒く酸化したものが黒ニキビです。
白ニキビや黒ニキビはまだ炎症を起こしておらず、洗顔と保湿をしっかりと行い、市販薬なども併用すると早く治ります。
赤ニキビや黄ニキビは、悪化して炎症を起こしている状態です。
こうなってしまうと自分の力ではなかなか治療することは難しく、場合によってはニキビ跡が残ってしまうこともあります。
たかがニキビと考えず、正しい治療を行うことが大切なのです。
皮膚科で針を使うのはなぜ?
皮膚科でのニキビ治療において、針を使うことがあります。それはなぜでしょうか。
ニキビはぷくっと膨らんでいるため、見た目の問題から自分で潰してしまう人も多いでしょう。
しかし皮膚科での針を使った治療は潰すことが目的ではありません。
中にある膿を外に出すことが目的となります。
膿とは、炎症の原因となっている細菌と自らの白血球が戦ってできた残骸です。
色は透明や薄い黄色をしていますが、これらの膿がニキビの中に溜まっていると、治りが遅くなる原因にもつながるので出した方がいいこともあるのです。
ただし、いくら小さくても針で皮膚に穴をあけるという行為は、肌を傷つける行為であり、跡が残ってしまうリスクがあります。
けれども自分の手で潰してしまうよりは傷は小さくて済むので、皮膚科で針を使うこともあるのです。
ニキビを潰すことが目的なのではなく、膿の出口を作ってあげるということですから、決して深く針を刺したりはせずに皮膚の表面に小さな穴をあけるだけとなります。
触ると硬いニキビって?
ニキビが炎症を起こすと、赤ニキビから黄ニキビに進行していきますが、その先にしこりニキビという状態があります。
しこりニキビはニキビの最終段階とも言われており、非常に治りにくくニキビ跡が残りやすいため注意しなければならないニキビです。
しこりニキビは触ると硬いのが特徴ですが、痛みや蚊に刺されたようなかゆみを伴うこともあります。
ニキビによって炎症が進むと、毛穴の中だけでなく外側にも炎症は進んでいきます。
毛穴全体がボロボロになってしまい、それがかゆみや痛みを引き起こすのです。
しかし人間の体は、ボロボロなった状態を修復しようとする働きがあり、新しい細胞を作り出します。
ひどい状態の毛穴を修復するための新しい細胞を、作り過ぎてしまってしこりとなるのです。
これがしこりニキビの正体です。
一般的にはニキビが悪化しても、しこりニキビまで進行することはあまりありません。
体内環境の悪化などによって、しこりニキビとなってしまうことが多いのです。
しこりニキビの原因となる体内環境って何?
しこりニキビの原因となる体内環境の悪化は、いくつか考えられることがあります。
まずホルモンバランスの乱れです。
ホルモンバランスと肌のターンオーバーは密接な関わりがあります。
健康な肌は、ターンオーバーによって古い角質層が剥がれ落ちていきます。
しかしホルモンバランスが乱れることで、ターンオーバーも正常でなくなり、古い角質層が肌に残ってしまうのです。
肌の表面に古い角質層が残ると、それらが毛穴を塞いで皮脂や老廃物を排出することが出来なくなり、ニキビが悪化する原因になります。
腸内環境の悪化もニキビの原因のひとつです。
老廃物は尿や便から排出されますが、腸内環境の悪化で排出出来なかった老廃物は、血液に取り込まれて体中を巡ります。
最終的に毛穴から排出されることとなるのですが、たくさんの老廃物が毛穴から排出されると詰まってしまうのです。
腸内環境の悪化が長引くと、ニキビの炎症も長く続き、やがてしこりニキビへと進化します。
しこりニキビの正しい治し方とは?
しこりニキビは自分で治すことは難しいとされています。
塊があるからといって針で潰すことはやってはいけないことです。
皮膚科の治療で針を使うのは、中に溜まった膿を外に出しやすくするためです。
しこりニキビの塊は、膿ではなくて修復によって新しく生み出された細胞になります。
針で傷をつけるということは、治りかけている状態に傷をつける行為と同じなのです。
しこりニキビは目立ちやすく、痛みやかゆみもあるために早く何とかしたいと思うのは仕方がないでしょう。
しかし完治させるには、皮膚科で適切な治療を受けながら治していくのが最も近道となりますが、長期的な治療になることは覚悟しなければなりません。
治療法としては、肌の角質を一旦リセットするケミカルピーリングや、炎症をこれ以上長引かせないような内服薬の服用など、皮膚科の医師と相談しながら進めていくことが大切です。
また、睡眠不足や飲酒・喫煙、運動不足やストレスといった生活習慣を見直して、ホルモンバランスを整えることも重要となります。
ニキビの一番の治療法は、治すのではなく作らないことと言われています。
そのためにも、しこりニキビが出来てしまったらすぐに皮膚科を受診し、今後の治療について相談するようにしましょう。
硬いしこりニキビは針で潰さず皮膚科で適切な治療を受けよう
ニキビがひどく悪化すると、触ると硬いしこりニキビが出来ることがあります。
このしこりは、ボロボロになった毛穴を修復しようと新しく細胞が作られたことによってできたものです。
いわば治ろうとしている状態であり、針で潰して新しい細胞を傷つけるという行為はやってはいけません。
完治させるには、ケミカルピーリングや内服薬といった治療を皮膚科で長期的に行うのが一番の近道なのです。