ピアスをすることは、日常的なファッションとして受け入れられています。
ところが身体に穴をあけるということで、様々な皮膚トラブルに見舞われることもあります。
一般的によくあらわれる症状のひとつに腫れがありますが、冷やす以外の対処法はあるのでしょうか。
腫れの原因を知ることで、正しい処置を行うことが出来るのです。
まずはアイシングでクールダウン
ピアスの穴をあけたとき、誰でも一度は経験があることが「腫れる」ということです。
健康な皮膚に、人工的な穴をあけてダメージを与えるピアスホールは、皮膚組織を傷つけてしまうために腫れが起こります。
人間の生理的反応であり、それほど心配することはなく、だいたい3日ほどで腫れは治まっていきます。
しかし放置しておくと、翌朝もっと腫れがひどくなるといったこともあるので、まずは冷やすことが一つ目の対処法です。
保冷剤や氷嚢で患部を冷やすことが一般的ですが、直接患部にこれらをあててしまうと冷やし過ぎて凍傷になってしまう可能性があるので、ガーゼにくるんで患部を冷やすといいでしょう。
細菌感染による腫れと痛み
初めてピアスホールをあけると、つい気になって指で触ってしまう人もいます。
しかし雑菌がついている手でピアスホールを触ると、そこから細菌が侵入してしまうことも少なくないのです。
あけたばかりのピアスホールは傷口と一緒ですから、細菌が入ると化膿してしまいます。
それが腫れや痛み、発熱につながるのです。
細菌感染の時の対処法としては、ピアスを外してしまうことが最も効果的な治療法です。
しかし腫れや痛みが完治するまでピアスを外してしまうと、その間にピアスホールが塞がってしまうこともあります。
せっかくあけたホールなので、なるべく温存したままで治療したいというのが本音でしょう。
細菌感染で腫れや痛みがある場合、ピアスを外さずに治療をしたいのであれば医療機関を受診します。
悪化する前であれば、抗生物質の服用や外用薬によって症状を治めることも可能です。
自己判断で消毒をしたり化膿止めを飲んだりすることは避け、まずは医療機関を受診することが大切です。
ピアスの皮下埋没による腫れ
ピアスをあけて随分と時間が経っていても、ときには腫れが生じることもあります。
例えば、ピアスをつけたまま枕に押し付けるように眠ってしまったときや、キャッチを強く締め過ぎてしまった場合に起こる皮下埋没の腫れです。
耳たぶが強く圧迫されると、その周辺の血流が悪くなります。
すると細胞がダメージを受けて耳たぶがただれてきてしまうのです。
悪化すると耳たぶがどんどん腫れて、ピアスヘッドやキャッチが皮膚の中に埋まってしまうこともあります。
これが皮下埋没です。
こうなってしまうと、自分ではどうにもすることが出来ず、下手に触ると余計に症状が悪化してしまうため、医療機関で対処してもらった方がいいでしょう。
埋没したヘッドやキャッチを医療機関で適切に摘出してもらうとき、痛みがひどい場合は局所麻酔などを使用してもらうことも可能です。
皮下埋没を防ぐためには、夜寝る前にピアスを外し、装着するときはあまり締め付けないように注意することが大切です。
腫れだと思ったら肉芽だった
ピアスホールのまわりに、腫れのようなぷくっとしたものが出来てしまうこともあります。
触っても痛みなどがない腫れのようなものは肉芽かもしれません。
肉芽とは、外傷や炎症によって欠けてしまった部分を補うために出来る、赤く柔らかいしこりのようなものを指します。
ピアスホールのまわりに出来る肉芽は良性腫瘍で、放っておいても命にかかわるといったことはありません。
しかし、ピアスによって傷がついたりすると化膿したり、肥大化してくることもあるので気になるようなら医療機関を受診するようにします。
初期の小さな肉芽であればクエン酸療法やホットソークといった自分で出来る民間療法で良くなることもあります。
まずは自分で出来る対処法を試してみて、治療が長引いたり大きくなってしまったらすぐに医療機関を受診するといいでしょう。
金属アレルギーによる腫れ
ピアスホールの周りの腫れ・ただれ・ジクジクと汁が出るといった症状が長引くのであれば、それは金属アレルギーが原因の可能性もあります。
ピアスホールをあけた時は何ともなかったのに、夏場の汗をかく季節を迎えたら途端に症状が出始めたという人も多いのです。
金属は人の汗などによっても少しずつ溶解されます。
溶けたときに出た金属イオンが、体内のタンパク質と結合してアレルゲン物質へと変化していき、体内に一定以上溜まったときに起こるのが金属アレルギーです。
一度発症してしまうと、金属アレルギーを完治することは出来ません。
全身にアレルギー症状が出る前に対処することが重要となります。
金属アレルギーを起こした部分は、炎症を起こして透明や薄く黄色っぽい分泌液が出てきます。
強いかゆみも伴うため、こうした症状が出た時はすぐにピアスを外して医療機関を受診するようにしましょう。
チタン・ステンレス・樹脂はアレルギー反応を起こしにくいピアス素材と言われています。
チタンやステンレスは汗にも溶けにくく、樹脂は金属を一切含んでいません。
金属アレルギーの人はもちろんのこと、日頃からこうした素材のピアスを選んで付けることで、アレルギーの発症リスクを下げることが出来るのです。
念願のピアスで腫れが出てしまったときの適切な対処法とは?
ピアスによる腫れの症状が出た場合、まず最初に行うのは冷やすことです。
保冷剤や氷嚢などをガーゼで包んで患部を冷やすようにします。
腫れが引かない場合、いくつかの原因が考えられます。
細菌感染・皮下埋没・肉芽・金属アレルギーなどが考えられますが、それぞれ対処法は異なるので、腫れが長引く場合は医療機関を受診することが大切です。