【エスタックイブNT】を徹底解説!

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この解説記事は登録販売者の監修の下、制作しています。
(監修:ひかり薬局編集長、登録販売者)

エスタックイブNT

エスエス製薬は、風邪の症状に合わせて選べるエスタックイブシリーズから、鼻水・鼻づまりによく効く「エスタックイブNT」を、2015年9月1日(火)から全国のドラッグストア、薬局などで発売しました。

エスタックイブNT」の効果や特長、副作用などについて解説していきます。

目次

【つらい鼻の風邪に】エスタックイブNT

つらい風邪の「鼻」症状に効果の高い成分を配合。

ダブルの効果で、よく効く

エスタックイブNT』は、かぜの「鼻」症状のメカニズムを考えて処方設計した風邪薬です。

イブプロフェン、ヨウ化イソプロパミド、クロルフェニラミンマレイン酸塩をはじめとする8つの成分を配合しています。

クロルフェニラミンマレイン酸塩の抗ヒスタミン作用により、風邪による不快な鼻水・鼻づまり・くしゃみ等のアレルギー症状を抑え、ヨウ化イソプロパミドが、鼻汁分泌を直接抑制します。

つらい鼻症状」にダブルの効果を発揮します。

さらに抗炎症作用があり、のどの痛みを抑えるイブプロフェンを同時配合し、「つらいのどの痛み」にも優れた効果を発揮します。

持ち運びに便利なPTP包装です。

効能・効果

かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、のどの痛み、くしゃみ、せき、たん、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

用法・用量

次の1回量を1日3回、食後なるべく30分以内に水又はぬるま湯で服用してください。

年齢 1回量
成人(15才以上) 3錠
15才未満 ×服用しないこと

成分・分量(9錠/1日量中)・働き

成分 分量 働き
イブプロフェン 450mg 熱を下げ、のど等の炎症や痛みをしずめる。
ヨウ化イソプロパミド 6mg 鼻水をおさえる。
クロルフェニラミンマレイン酸塩 7.5mg くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状をおさえる。
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg せきをしずめ、たんを切る。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg せきをしずめ、たんを切る。
無水カフェイン 75mg 頭の重い感じをやわらげる。
チアミン硝化物(ビタミンB₁硝酸塩) 24mg かぜをひいて消耗しがちなビタミンを補う。
アスコルビン酸(ビタミンC) 300mg かぜをひいて消耗しがちなビタミンを補う。
添加物
無水ケイ酸、セルロース、乳糖、白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール、炭酸Ca、カルナウバロウ、ステアリン酸Mg、タルク、酸化チタン、部分アルファー化デンプン、プルラン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール

ヨウ化イソプロパミドとは?

ヨウ化イソプロパミドは、「抗コリン成分」に分類され、鼻水やくしゃみを抑える成分として風邪薬や鼻炎用内服薬に配合されています。

鼻水は副交感神経から放出されるアセチルコリンの刺激により、鼻腺から分泌されます。

ヨウ化イソプロパミドやベラドンナ総アルカロイドなどの抗コリン成分(副交感神経遮断成分)は、アセチルコリンが鼻腺の細胞壁に取り付くことをブロックして、鼻水の分泌を抑える働きをします。

内服薬の場合、鼻腺だけでなく全身の分泌腺にも作用する恐れがあるため、眠気や便秘などの副作用が現れることがあります。

クロルフェニラミンマレイン酸塩とは?

クロルフェニラミンマレイン酸塩は、体内でヒスタミン受容体に働いてヒスタミンの作用を抑え、アレルギー症状を抑える「抗ヒスタミン薬」としては古くから使用されているものです。

くしゃみや鼻汁、気道や喉の腫れや炎症、皮膚のかゆみ、目の炎症などの様々なアレルギー症状を抑えます。

市販薬では、総合感冒薬(かぜ薬)、鎮咳去たん薬、鼻炎用内服薬、口腔内殺菌トローチ、鼻炎用点鼻薬、点眼薬、その他外用薬などに配合されています。

また、脳の中枢や内耳の自律神経の働きを抑えてめまいや吐き気を起きにくくする作用により、乗物酔い防止薬にも配合されています。

注意点としては、中枢神経に作用して効果を発揮するので、眠気(副作用)を感じることがあります。

クロルフェニラミンマレイン酸塩が含まれる薬を内服した時は、車の運転や機械操作は避けましょう。

製造販売元

エスエス製薬株式会社

リスク区分

指定第2類医薬品

剤型・形状

白色糖衣錠

容量・メーカー希望小売価格

容量 希望小売価格 JANコード
18錠 1,180円(税抜) 4987300058909
36錠 1,880円(税抜) 4987300058916

エスタックイブNTの特長

つらい鼻症状をダブルブロック

特長1

風邪のつらい「鼻」症状にダブルの効果。

エスタック症状別シリーズの第2弾として、風邪のつらい鼻症状(鼻水・鼻づまり)に着目し、鼻症状のメカニズムを考え処方設計された総合かぜ薬です。

特長2

鼻水・鼻づまりに効果の高い成分を配合。

クロルフェニラミンマレイン酸塩の抗ヒスタミン作用により、鼻水・鼻づまり・くしゃみ等の症状を抑え、抗コリン剤であるヨウ化イソプロパミドが鼻汁分泌を直接抑制。

ダブルの効果で、つらいかぜの「鼻」症状に高い効果を発揮します。

特長3

のどの痛みにもすぐれた効果を発揮。

イブプロフェンの優れた鎮痛・消炎効果により、のどの痛みの原因となる物質(プロスタグランジン)の生成を抑えるとともに痛みの伝わりをブロックします。

使用上の注意

してはいけないこと
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用・事故が起こりやすくなります。)

1.次の人は服用しないでください

  • 本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人。
  • 本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を服用してぜんそくを起こしたことがある人。
  • 15才未満の小児。
  • 出産予定日12週以内の妊婦。

2.本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も使用しないでください

  • 他のかぜ薬
  • 解熱鎮痛薬
  • 鎮静薬
  • 鎮咳去痰薬
  • 抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(鼻炎用内服薬、乗物酔い薬、アレルギー用薬、催眠鎮静薬等)
  • 胃腸鎮痛鎮痙薬

3.服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください

(眠気や目のかすみ、異常なまぶしさ等の症状があらわれることがあります。)

4.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けてください

5.服用前後は飲酒しないでください

6.5日間を超えて服用しないでください

相談すること

1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください

  • 医師又は歯科医師の治療を受けている人。
  • 妊婦又は妊娠していると思われる人。
  • 高齢者。
  • 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人。
  • 次の症状(高熱、排尿困難)のある人。
  • 次の診断(甲状腺機能障害、糖尿病、心臓病、高血圧、肝臓病、腎臓病、緑内障、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、呼吸機能障害、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、肥満症)を受けた人。
  • 次の病気(胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病 )にかかったことのある人。

2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、製品の説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください

関係部位 症状
皮膚 発疹・発赤、かゆみ、青あざができる
消化器 吐き気・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、胃痛、口内炎、胸やけ、胃もたれ、胃腸出血、腹痛、下痢、血便
精神神経系 めまい、頭痛
循環器 動悸
呼吸器 息切れ
泌尿器 排尿困難
その他 目のかすみ、耳なり、むくみ、鼻血、歯ぐきの出血、出血が止まりにくい、出血、背中の痛み、過度の体温低下、からだがだるい、顔のほてり、異常なまぶしさ

まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。

症状の名称 症状
ショック(アナフィラキシー) 服用後すぐに、皮膚のかゆみ、じんましん、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸、意識の混濁等があらわれる。
皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死融解症 高熱、目の充血、目やに、唇のただれ、のどの痛み、皮膚の広範囲の発疹・発赤等が持続したり、急激に悪化する。
肝機能障害 発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。
腎障害 発熱、発疹、尿量の減少、全身のむくみ、全身のだるさ、関節痛(節々が痛む)、下痢等があらわれる。
無菌性髄膜炎 首すじのつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱、吐き気・嘔吐等の症状があらわれる。(このような症状は、特に全身性エリテマトーデス又は混合性結合組織病の治療を受けている人で多く報告されている。)
間質性肺炎 階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱等がみられ、これらが急にあらわれたり、持続したりする。
ぜんそく 息をするときゼーゼー、ヒューヒューと鳴る、息苦しい等があらわれる。
再生不良性貧血 青あざ、鼻血、歯ぐきの出血、発熱、皮膚や粘膜が青白くみえる、疲労感、動悸、息切れ、気分が悪くなりくらっとする、血尿等があらわれる。
無顆粒球症 突然の高熱、さむけ、のどの痛み等があらわれる。
呼吸抑制 息切れ、息苦しさ等があらわれる。

3.服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、製品の説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください

症状
便秘、口のかわき、眠気

4.5~6回服用しても症状がよくならない場合(特に熱が3日以上続いたり、また熱が反復したりするとき)は服用を中止し、製品の説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください

エスタックイブNTのよくある質問(Q&A)

Q 授乳中に服用しても問題はありませんか?
服用する場合は授乳を避けてください。
Q 服用後に車を運転してもいいですか?
いいえ、服用後は車の運転をしないでください。
Q 連用していいですか?
5日間を超えて服用しないでください。
Q 緑内障の持病があるのですが、服用しても大丈夫でしょうか?
眼圧を上げる成分が含まれており、緑内障を悪化させるおそれがあるので、服用については医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください。
Q ピリン系ですか?
いいえ、非ピリン系の風邪薬です。
Q 小児でも服用できますか?
いいえ、15歳未満の方は服用しないでください。

エスタックイブNTについてのまとめ

エスタックイブNT』は、かぜの「鼻」症状のメカニズムを考えて処方設計した風邪薬です。

特に、風邪の「鼻症状(鼻水・鼻づまり)」がつらい方におすすめです。

抗ヒスタミン作用と抗コリン作用により、鼻水・鼻づまり・くしゃみ等のアレルギー症状を抑え、鼻汁分泌を直接抑制し、つらい鼻症状にダブルの効果を発揮します。

さらにイブプロフェンを同時配合しているので、発熱やのどの痛みにも優れた効果を発揮します。

※イブプロフェンは、アセトアミノフェンを配合している風邪薬よりも炎症部位の鎮痛・消炎効果が期待できるので、のどの痛みがつらい方にも向いています。

お客様から「鼻水やくしゃみなどの症状がつらい」と相談されたときに、よく勧めている風邪薬の一つです。

有吉さんがTV-CMに出演しているので知名度が高く、鼻症状を抑える効果も期待できることから勧めやすいです。

私も鼻風邪を引いてしまったときに、何度か『エスタックイブNT』を服用したことがあります。

鼻水やくしゃみが止まらなくなったり、鼻づまりがひどくて食べ物の味がわからないなど、風邪を引いたときの鼻症状はつらいですよね。

これらの症状を緩和するために『エスタックイブNT』を飲むと、20~30分ほどで効果が出てきて、鼻水とくしゃみはすぐに治ってくれると思います。

鼻をかんでもかんでも垂れてきてしまう鼻水が止まり、くしゃみをする頻度も少なくなるので、身体的にもだいぶ楽になります。

しかし、ひどい鼻づまりには効果があまり期待できないので、『エスタックイブNT』を飲んでも改善されないかもしれません。

私の場合、ひどい鼻づまりのときはほとんど効果がなかったので、呼吸をしたり食事をするのも大変でした。

そのため、とにかく鼻づまりを改善したい、ひどい鼻づまりを何とかしたい、という方は点鼻薬を使うのがおすすめです。

ただし、「ナザール」や「パブロン点鼻薬」などの点鼻薬は、成分が重複して副作用のリスクが高くなってしまうため、風邪薬と併用できないものがほとんどです。

ロキソニン」「イブ」「バファリン」などの熱を下げる薬(解熱鎮痛剤)と点鼻薬を併用することは可能なので、熱と鼻症状だけを緩和したいのであれば、あえて風邪薬を使用しない方法もあります。

※上記の方法だと、咳やたんなどの症状を抑えることができないので、風邪の諸症状を全体的に緩和したいときは、『エスタックイブNT』を服用しましょう。

また、『エスタックイブNT』は風邪のつらい鼻症状に優れた効果を発揮する反面、抗ヒスタミン成分と抗コリン成分をダブルで配合しているので、他の風邪薬よりも眠くなりやすいデメリットがあります。

市販の風邪薬は、鼻水や鼻づまりを抑えるために抗ヒスタミン成分のみを配合していることがほとんどです。

そのため、「パブロン」や「ルル」などのポピュラーな風邪薬は、鼻症状に特化しているわけではないので、かぜの諸症状にバランス良く効果を発揮するようにできています。

それに対して、『エスタックイブNT』はつらい鼻症状に特化しているので、鼻水やくしゃみによく効きますが、眠くなりやすいので服用するときは注意してください。

デスクワークの方は睡魔に襲われるかもしれないので、できれば30分~1時間ほど仮眠するのがおすすめです。

特に車の運転や機械操作をすると危険を伴う可能性があるので、服用後は避けることが望ましいです。

どうしても眠気の副作用が嫌な方は、効き目が『エスタックイブNT』よりも劣ってしまいますが、鼻症状に効果を発揮する小青竜湯(漢方)を配合している風邪薬を選ぶことで眠気を回避できます。

エスタックイブNT』を3~4日飲んでも症状が改善されない(風邪が悪化した)場合は、効果が期待できない可能性が考えられます。

風邪の症状が悪化すると風邪が長引いてしまったり、余計つらい思いをすることもあるので、市販薬で治らないときは早めに病院へ行くようにしましょう。

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この記事を書いた人

2011年10月に登録販売者を取得。現在、某ドラッグストアで店長として勤務しており、お客様に対して市販薬の効果効能・副作用を説明しています。また、当ブログの編集長を務め、医薬品のプロとして正しい情報提供のために、すべての記事で監修を行なっています。

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