ロート製薬の「へパソフトプラス」は、「かきむしり乾燥肌」に最適な処方の医薬品です。
かきむしり乾燥肌の治療薬として好評だった「メンソレータム ヘパソフトクリーム」が処方、パッケージ共にリニューアルし、「へパソフトプラス」へリニューアルしました。
かゆみ止め成分と乾燥肌修復成分を新たに追加し、2015年9月15日(火)から全国の薬局・薬店・ドラッグストアなどで発売されています。
かきむしりたくなるかゆい乾燥肌に効く「へパソフトプラス」の効果や副作用、特徴などについて解説していきます。
【つらい乾燥状態の肌に】ヘパソフトプラス
皮膚が乾燥すると、角質層の水分や皮脂が減少して皮膚が敏感になり、外からのさまざまな刺激によってかゆみが起こりやすくなります。
「へパソフトプラス」は、かき跡を修復しながらつらい乾燥状態の肌にしっかりと効いていく「かきむしり乾燥肌の治療薬」です。
乾燥してあらわれる、かきむしりたくなる乾燥肌に効果を発揮します。
2つの乾燥肌修復成分(ヘパリン類似物質、パンテノール)、2つのかゆみ止め成分(クロタミトン、ジフェンヒドラミン)を配合。
尿素無配合、非ステロイドなので、肌にやさしい処方です。
製品名
へパソフトプラス
効能・効果
かゆみを伴う乾燥性皮ふ(老人・成人の乾皮症、小児の乾燥性皮ふ)
用法・用量
1日1~数回、適量を患部に塗布してください。
[用法・用量に関する注意]
- 小児に使用させる場合には保護者の指導監督のもとに使用させてください。
- 目に入らないようご注意ください。万一、目に入った場合には、すぐに水またはぬるま湯で洗ってください。なお、症状が重い場合には、眼科医の診療を受けてください。
- 外用にのみ使用してください。
成分・分量・働き
成分 | 分量 | 働き |
---|---|---|
ヘパリン類似物質 | 0.3% | 優れた保水能力で、角質内の水分を増やし、うるおいを与えることで、ダメージを受けたバリア機能を修復する。 |
パンテノール | 1% | 新陳代謝を促進し、肌の修復を助ける。 |
ジフェンヒドラミン | 1% | かゆみの原因物質「ヒスタミン」の働きをブロックし、がまんできないその場のかゆみを止める。 |
クロタミトン | 5% | 温感神経に働き、かゆみを即効で鎮める。 |
- 添加物
- 流動パラフィン、ワセリン、グリセリン、ステアリン酸グリセリン、パルミチン酸イソプロピル、セタノール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ジメチルポリシロキサン、カルボキシビニルポリマー、コレステロール、N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、パラベン、エデト酸Na、pH調整剤
製造販売元
ロート製薬株式会社
リスク区分
第2類医薬品
剤型・形状
伸びがよく、べたつかない非ステロイドのクリーム
包装単位・メーカー希望小売価格
内容量 | 希望小売価格(税抜) | JANコード |
---|---|---|
50g(チューブ) | 1,100円 | 4987241139194 |
85g(ジャー) | 1,600円 | 4987241139200 |
へパソフトプラスの特長
新たにかゆみ止め成分「クロタミトン」を配合したことで、温感神経に働き、かゆみを素早く鎮めます。
従来のへパソフトクリームより配合されていた「ジフェンヒドラミン」は、かゆみの原因物質ヒスタミンの働きをブロックし、かゆみの原因に作用します。
また、新陳代謝を促進し、乾燥肌修復を助ける「パンテノール」を新配合。
従来より配合の「ヘパリン類似物質」は、肌(角質層)の天然保湿因子を増加させ、肌にうるおいを与えることで、ダメージを受けた肌のバリア機能を修復します。
「へパソフトプラス」は、乾燥肌修復成分も二種類配合となり、処方が強化(リニューアル)されています。
ダブルのかゆみ止め成分と乾燥肌修復成分配合で、つらいかゆみの悩みに応えます。
角質層の役割と機能
肌の構造は、肌の外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つで構成されています。
そして表皮の中でも、一番外側にあるのが「角質層」です。
手のひらや足の裏など体の部位によって違いますが、一般的に角質層はわずか0.02mmの厚さしかありません。
このとても薄い層が、角層の柔軟性や表層のなめらかさを維持し、健康な肌を保つために重要な役割を果たしています。
肌のうるおいを保つために、肌の内側から水分が蒸発しないように守り、角層中に水分をしっかりキープしてくれる働きがあります。
皮膚の表面は皮脂の分泌によって、皮膚の内部は角質層の水分保持機能によってそれぞれ乾燥を防いでいます。
さらには細菌などの異物が体に侵入するのを防いだり、肌に触れる刺激を抑えてくれたりします。
角質層は体の表面を覆うバリアのような構造と働きをしており、健康な皮膚を維持するためにも角質層の働きは欠かせません。
ラメラ構造を整えるヘパリン類似物質とは?
健康な肌の角質層は、角質細胞の間に水分と油分が何層も重なりあっています。
これを「ラメラ構造」といい、肌のバリア機能の一端を担っています。
このラメラ構造を保っているのは「角質細胞間脂質」です。
角質細胞のすきまを埋める角質細胞間脂質は、「セラミド」「コレステロール」「脂肪酸」などの物質で構成されています。
これらの物質が絶妙のバランスで組み合わさり、水分と油分が交互に積み重なっている状態を作り出すことで、肌の水分をしっかりキープできます。
角質細胞間脂質は、水となじみやすい部分と油となじみやすい部分の両方をもっています。
健康な肌の角質層の中では、角質細胞間脂質が規則正しく並び、さらに水分と油分が幾層にも重なり合い、水分を保持することで強力なバリア機能を果たします。
乾燥肌や荒れた肌では、肌深部で保水機能を果たすラメラ構造が乱れてしまい、うるおいをキープできない状態になっています。
ラメラ構造が壊れていると、肌にうるおいを留めることができず乾燥してしまい、外部刺激から肌を守るバリア機能が働かなくなってしまいます。
「ヘパリン類似物質」はこのラメラ構造の乱れを整えることで、肌の水分保持能力を高めます。
角質層のラメラ構造を整えることは、健康な肌を保つためにとても重要です。
使用上の注意
- [ してはいけないこと ]
- (守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
次の人は使用しないでください。
- 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)の人
- わずかな出血でも重大な結果をきたすことが予想される人
(血液凝固抑制作用を有し出血を助長するおそれがある) - アトピー性皮ふ炎の人
(軽い症状であっても医師の下で適切な治療を受ける必要がある)
[ 相談すること ]
1.次の人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
- 医師の治療を受けている人
- 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
- 湿潤やただれのひどい人
- 医師からアトピー性皮ふ炎と診断されたことのある人
2.使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を中止し、製品の説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください。
関係部位 | 症状 |
---|---|
皮膚 | 発疹・発赤、かゆみ、はれ、かぶれ、乾燥感、刺激感、熱感、ヒリヒリ感、紫斑 |
3.5~6日間使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、製品の説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください。
かきむしり乾燥肌とは?
年齢による皮脂分泌の減少や、乾燥による皮ふのバリア機能が低下した乾燥性皮ふでは、気温の変化や衣服の摩擦など、少しの外部刺激でもかゆみを引き起こしやすくなります。
乾燥によるこのような症状はありませんか?
- ✓ 就寝中でも気づかぬうちに、かいてしまうことがある。
- ✓ 白い粉をふいたり、皮がめくれたりして見た目が悪い。
- ✓ 温度変化やわずかな刺激でも、かきむしりたくなるようなつらいかゆみが起こる。
- ✓ 年齢とともに、かゆみを感じるようになった。
ひとつでも当てはまる方は、「かきむしり乾燥肌」かもしれません。
かかずにいられないかゆみに!
お風呂上りや就寝時、暖房が効いた部屋など、からだが温まるとかゆみが起こりやすくなります。
かきむしって悪化させる前に「へパソフトプラス」を使用してください。
かけばかくほどかゆくなる「かきむしり乾燥肌」は、かきむしってしまう前に治療することが大切です。
かゆみをともなう粉フキ肌に!
かゆみをともなう粉フキ肌は、肌の油分や水分の減少などが原因で起こります。
気温や湿度の低い冬に発生しやすく、広い範囲にしつこいかゆみが生じたり、不潔に見られてしまうこともあります。
「へパソフトプラス」は、粉フキ肌に起こるかゆみを鎮めながら、かき跡を修復します。
継続的に使用することで、次第にかゆみの起きにくいしっとりした肌へと治していきます。
ヘパソフトプラスについてのまとめ
「へパソフトプラス」は、我慢できないかゆみを鎮め、かき跡を修復しながら、乾燥肌に効いていく「かきむしり乾燥肌の治療薬」です。
作用順序が違う2つのかゆみ止め成分が、かきむしりたくなるようなかゆみを素早く鎮め、ヘパリン類似物質が気になるかき跡を修復しながら乾燥肌を改善していきます。
新たに配合したパンテノールがダメージを受けた肌のバリア機能を修復し、潤いを与えることで健康な肌へ導きます。
「へパソフトプラス」は、ベタつきの少ないクリームなので、肌なじみも良くて使いやすいと思います。
軟膏のようにテカったりすることもなく、ローションよりも保湿力が優れているので、カサついた肌でも潤いが続きます。
ステロイドや尿素などの肌への刺激が強い成分を配合していないので、安心して使用できるのも嬉しいです。
肌のカサカサを改善するために使用したところ、3日~1週間ほどで改善することができ、肌が白くなってしまうのを防げました。
粉ふきが広範囲であったり、皮膚炎(皮むけ、肌荒れ)などの乾燥肌トラブルがひどいときに使用しても、それほど効果はありませんでした。
乾燥による肌荒れが悪化したときは、皮膚科でステロイドやプロペトなどの処方薬を出してもらい、2週間ぐらいかかってようやく治せました。
「もっと早く治療すれば良かった・・・」と症状が悪化してから後悔したので、乾燥が気になったらすぐに使用することを推奨します。
また、「へパソフトプラス」は安全性が高い塗り薬ですが、アトピー性皮膚炎の方は「大丈夫だろう」などと、安易な自己判断で使用せず、専門医に相談してください。
ニキビへの効果についても根本から治すことができないので、ニキビを治療するために使用しないでください。
ニキビを根本から治すためには、ニキビの原因となるアクネ菌などの細菌が増殖するのを防ぐ必要があります。
残念ながら「へパソフトプラス」は、殺菌成分を配合していないので、ニキビを根本から治すことができず、良くなったと思ってもすぐに再発する可能性があります。
抗炎症成分も配合していないことから、赤ニキビなどの気になる赤みを鎮める効果もあまり期待できません。
乾燥肌を治療している際に、たまたまニキビができてしまったときは使用しても特に問題ありませんが、ニキビ治療のために使うのはやめましょう。
乾燥によるさまざまな症状に優れた効果を発揮する「へパソフトプラス」ですが、5~6日間使用しても症状が良くならない(悪化した)場合は使用を中止し、病院へ行くことが望ましいです。
特に乾燥肌が悪化してしまうと、皮膚が炎症を起こしたり、粉をふいたりするおそれがあります。
かゆみが我慢できず、かきむしって症状が悪化する(肌にダメージを与える)と、傷跡が残ってしまう可能性もあります。
肌の乾燥がそれほどひどくなければ、「へパソフトプラス」や「HPクリーム」などの乾燥肌治療薬を使用することで、乾燥肌を改善する効果が期待できます。
しかし、カサカサ・粉ふき・ヒリヒリなどの症状がひどくなってしまうと、治すまでの時間が余計にかかったり、市販薬では治せないことも多々あります。
乾燥肌がひどくなってしまう前に医師に相談して、肌に合った適切な治療を行うことが重要です。
つらい乾燥肌を早く綺麗に治すためにも、症状が改善されないときは、なるべく早めに病院に行きましょう。