内外薬品のかゆみ、湿疹、皮膚炎などの症状を緩和する「ダイアフラジンA軟膏」が2007年12月10日(月)から全国の薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されています。
実際に使用した感想(効果)や配合されている成分など、「ダイアフラジンA軟膏」について解説していきます。
【全身に使える非ステロイド薬】ダイアフラジンA軟膏
「ダイアフラジンA軟膏」は治りにくい、しつこいかゆみ・皮膚トラブルを緩和する皮膚疾患治療剤です。
非ステロイド薬なので安全性に優れており、3ヶ月の赤ちゃんから大人まで全身に使えます。
販売名
「ダイアフラジンA軟膏」
効能・効果
しっしん、皮ふ炎、かゆみ、かぶれ、ただれ、あせも、虫さされ、しもやけ、じんましん
用法・用量
1日数回、適量を患部に塗布してください
- ◎用法・用量に関連する注意
- ● 定められた用法・用量を守ってください。
- ● 小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させてください。
- ● 目に入らないようにご注意ください。万一目に入った場合には、すぐに水またはぬるま湯で洗ってください。なお、症状が重い場合には眼科医の診察を受けてください。
- ● 本剤は外用のみに使用し、内服しないでください。
ダイアフラジンA軟膏の正しい使い方
- 塗布回数・タイミング
- 1日に2~3回、患部に薄く塗ってください。
- たとえば、朝起床時に着替える時、午後に幼稚園や学校からの帰宅時、夜の入浴後に塗ってください。
- かゆみ、カサカサなどの症状がひどい場合には、塗る回数を少し増やしてみてください。
- 塗り方
- 軟膏を指先で患部の中心につけ、小さい範囲ならそのまま指先で、大きい範囲なら手のひらで薄く延ばしていきます。
- このとき強くこすって擦り込まないようにします。塗った後の状態で皮膚面が光って見える程度で十分です。
- ご注意
- 厚く塗りすぎると、衣類などに臭いが付くことがあります。
- この軟膏には、魚油からとったビタミンA油が含まれているからです。
成分・分量(100g中)・働き
成分 | 分量 | 働き |
---|---|---|
ジフェンヒドラミン | 1g | かゆみを起こすヒスタミンを抑える。 |
ビタミンA油(肝油類) (レチノールパルミチン酸エステルとして200,000I.U.) |
5g | 皮ふの角化を正常にする。 |
グリチルレチン酸 | 0.5g | 生薬カンゾウ由来の成分。 炎症やかぶれを抑える。 |
- 添加物
- 流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、セタノール、パラベン、香料、グリセリン、オレイルアルコール、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ヒアルロン酸Na、ハッカ油
- ◎成分・分量に関連する注意
- 本品を皮ふに塗布した後、特有の魚油臭が感じられることがありますが、これはビタミンA油に由来するものですので、ご安心のうえご使用ください。
販売元
内外薬品株式会社
リスク区分
第3類医薬品
剤型・形状
皮膚になじみやすく、のびの良いクリーム基剤
内外薬品株式会社
包装単位・メーカー希望小売価格
内容量 | メーカー希望小売価格 |
---|---|
20g | 1,800円(税抜) |
ダイアフラジンA軟膏の特徴
ぶり返す、かゆみ、しっしん、皮膚炎に。
しつこいかゆみ、さまざまな皮膚トラブルに。
- 3ヶ月のお子様から大人まで!全身に使える非ステロイド薬
- 治りにくい、かゆみ・皮膚炎の症状緩和に!
- 皮膚になじみやすく、のびの良いクリーム基剤
- 抗ヒスタミン剤であるジフェンヒドラミンが、かゆみの発生を抑える!
- 肝油(魚油)由来のビタミンA油が荒れた角質層を回復させて新陳代謝を高め、肌をなめらかにする!
- グリチルレチン酸が患部の炎症を抑える!
ダイアフラジンの「A軟膏」と「EX軟膏」の違いとは?
- 違いは、非ステロイド剤か、ステロイド剤か。
- ─ 2つを使い分ける方法も有効。
共に、荒れた角質層の回復が期待できるビタミンA油が配合されていますが、2つの軟膏の大きな違いは、非ステロイド剤か、ステロイド剤かという違いになります。
「ダイアフラジンEX軟膏」には、アンテドラッグステロイド(患部に皮膚には強く作用するが、体内では低活性になる)が成分として入っていますが、「ダイアフラジンA軟膏」にはステロイドが入っていない点です。
使い方の例として、炎症とかゆみが強いときは「ダイアフラジンEX軟膏」で抑え、症状が治まったら「ダイアフラジンA軟膏」だけでじっくり皮膚の状態を回復させていくことをおすすめです。
また、赤ちゃんは強いステロイドは使えませんから「ダイアフラジンA軟膏」でやさしく治していきましょう。
ダイアフラジン軟膏はニオイがするの?
- 魚の油から抽出したビタミンA油を使用している。
- ─ 現在は、ほとんどニオイがしないように改善されている。
「ダイアフラジンA軟膏」と「ダイアフラジンEX軟膏」に配合されているビタミンA油は、優れた効果が見込まれることから魚から抽出した油を使っています。
しかし、魚の油は酸化しやすいことから、厚く塗ると衣服などニオイが付くことがあります。
しかし現在では、軟膏の製造過程で改善をはかっており、ニオイに関する苦情はほとんど寄せられていません。
軟膏を使用後は、空気に触れないように蓋を閉めるようにしてください。
なお、もし魚のニオイがしても問題はありませんので安心してお使いください。
ビタミンA油の働きとは?
- 荒れた角質層を回復させることが重要。
- ─ ビタミンA油が皮膚の正常化に有効。
皮膚の表面にある角質層は、水分を保つ機能と細菌やウイルスなどの異物から守るバリア機能が備わっています。
しかし、しっしんが起きた皮膚はこの角質層が崩れて機能しなくなってしまいます。
そこで、「ダイアフラジンA軟膏」と「ダイアフラジンEX軟膏」には、抗炎症成分と共に荒れた角質層の回復が期待できるビタミンA油が配合されています。
皮膚の状態を正常に戻すためには、炎症やかゆみなどを治しながら、角質層をしっかり回復させることが重要です。
ダイアフラジンの成分「リビジュア®」って何?
「ダイアフラベール保護保湿剤」「ダイアフラジン石鹸」「ダイアフラジンHB軟膏」の成分
- リピジュア®は、皮脂膜の働きを担う。
- ─ 皮膚のバリア機能と保湿機能を強化。
リピジュア®は、人間の細胞膜に類似した構造を持ち、皮膚の表面を覆う皮脂膜の働きを担います。
「ダイアフラベール保護保湿クリーム」では、リピジュア®が皮脂膜の働きをサポートして、バリア機能と保湿機能を強化します。
また「ダイアフラジン石鹸」では、汚れを落としながら、角質層の保湿機能をしっかり守ります。
リピジュア®を開発した日油株式会社の調べでは、水洗い1時間後の乾燥時でも高い保湿力を維持し、その保湿力はヒアルロン酸の約2倍に値していました。
ダイアフラジンA軟膏は顔にも使えるの?
「ダイアフラジンA軟膏」は、ステロイドを配合していないので、安全性が非常に高いことから、大人はもちろん赤ちゃんの顔にも使える塗り薬です。
目の周りのかゆみやかぶれ、皮膚炎にも使用できるので、化粧品が合わずにかぶれてしまったり、花粉や乾燥などによるかゆみを緩和する効果が期待できます。
ただし、「ダイアフラジンA軟膏」を塗りすぎてしまうと、独特の臭い(魚臭さ)などが出やすくなるので、顔に塗るときは適量を使うようにしましょう。
夏場などで顔に汗をかいてしまうと、ベタつきが気になってしまったり、嫌な臭いをより感じやすくなると思うので、顔に塗るときは注意が必要です。
また、顔の中でも特にデリケートな目の周りに使うときは、目の中に入らないようにしてください。
ダイアフラジンA軟膏はニキビにも効果がある?
「ダイアフラジンA軟膏」は、かゆみ止め成分・ビタミンA油・抗炎症成分という、3種類の有効成分で構成されている塗り薬です。
しっかりとニキビを治すためには、症状を悪化させるアクネ菌などを殺菌し、ニキビや吹き出物の進行を抑えることが重要になります。
しかし、一般的なニキビ治療薬が配合しているイソプロピルメチルフェノールなどの殺菌成分を含んでいないことから、「ダイアフラジンA軟膏」でニキビを“もと”から治療することが難しいです。
抗炎症成分を配合しているので、赤ニキビなどの赤み(炎症)を鎮めることはできますが、ニキビの原因であるアクネ菌を殺菌していないため、治ったと思ってもまた同じ場所にニキビができることも多々あります。
また、主に「アットノン」や「アトキュア」などに配合されており、傷あと・やけどあとに効果を発揮するヘパリン類似物質などを含んでいないので、「ダイアフラジンA軟膏」でニキビ跡を消すことは基本的にできません。
特にニキビ跡は症状がひどくなる(悪化する)と、消すまでにとても時間がかかることが多く、そのまま色素沈着してニキビ跡が残ってしまう可能性もあります。
私がニキビやニキビ跡に対して「ダイアフラジンA軟膏」を使ったときは、ニキビを治すことがほとんどできず(ニキビの赤みは多少消えました)、ニキビ跡が消えることもありませんでした。
結局、皮膚科に行って抗生物質などを処方してもらい、それらの処方薬を使用することでニキビを治せました。
体質や相性などの個人差によっても大きく異なりますが、自身の体験談(口コミ)なども踏まえて、ニキビの治療を目的として「ダイアフラジンA軟膏」を使うのはおすすめできません。
ニキビ跡を残さずに綺麗に治したいのであれば、ニキビの症状が軽い段階で適切な治療を行うようにしましょう。
ダイアフラジンA軟膏はアトピーにも効果がある?
「ダイアフラジンA軟膏」は、ステロイドや肌へ刺激を与える成分を配合していないので、アトピーの方でも安心して使用できます。
市販で販売されている塗り薬の多くは、l-メントールやdl-カンフルなど、かゆみをより抑えるために肌への刺激が強い成分を配合しています。
これらの冷感刺激成分を敏感肌やアトピーなどの肌が弱い方が使うと、塗ったところがヒリヒリしてしまったり、かぶれたりすることがあります。
「ダイアフラジンA軟膏」は、余計な成分を配合していないので、市販薬の中でも肌への刺激が少ない塗り薬です。
ただし、炎症を抑える効果がステロイド外用薬よりも弱いので、アトピーの症状(皮膚炎など)がひどいときは、残念ながら効果がほとんどありません。
アトピーの症状があまりひどくなければ、「ダイアフラジンA軟膏」でも赤みやかゆみなどを緩和できると考えられます。
しかし、アトピーの症状がひどいときは、初めに強力なステロイドで一気に炎症を鎮めて、徐々に弱いステロイドに変えていき、症状が良くなってきたらステロイドをやめるのが、一般的なアトピーの治療法になります。
また、アトピーを治療するために「ダイアフラジンA軟膏」を使用するのではなく、一時的に症状を抑えるために使う程度にしましょう。
使用上の注意
相談すること
1.次の人は使用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
- 医師の治療を受けている人。
- 薬などによりアレルギー症状(例えば発疹・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人。
- 湿潤やただれのひどい人。
2.使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を中止し、製品の添付文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
関係部位 | 症状 |
---|---|
皮ふ | 発疹・発赤、かゆみ、はれ |
3.5~6日間使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、製品の添付文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
皮膚炎などに関するQ&A
皮膚炎および「ダイアフラジンA軟膏」に関する、主な質問に対して答えています。
- Q しっしんとは?
- しっしんと皮膚炎、また、しっしんとかぶれの違いを教えてください。
- A しっしんとは、皮膚炎と同義語で、かゆみのある赤い発疹を総称していいます。
- さまざまなしっしん(皮膚炎)があり、原因がはっきりわかるものもあれば不明のしっしんも多くあります。
- 症状やかゆみの程度もさまざまです。
- なお、かぶれとは皮膚炎のうち接触性皮膚炎のことで、金属や植物、化粧品や外用剤などが原因で生じます。
- Q 塗る手順について
- 「ダイアフラジンA軟膏」と一緒にスキンケアクリームを使う場合は、どちらを先に塗ったらよいでしょうか?
- A はじめにクリームを塗ってなじませてから「ダイアフラジンA軟膏」をその上に重ねて塗ってください。
- Q 塗り方について
- 「ダイアフラジンA軟膏」の塗り方を教えてください。
- A 「ダイアフラジンA軟膏」を指先で患部の中心につけ、小さい範囲ならそのまま指先で、大きい範囲なら手のひらで薄く延ばしていきます。
- このとき強くこすって擦り込まないようにします。
- 塗った後の状態で、皮膚面が光って見える程度で十分です。
ダイアフラジンA軟膏についてのまとめ
「ダイアフラジンA軟膏」は、かゆみ、湿疹、皮膚炎などの症状を緩和する非ステロイドの塗り薬です。
ステロイドや肌に刺激を与える成分を配合していないので、市販薬の中でも安全性が高いことから、知名度は高くないものの人気がある製品です。
赤ちゃんのデリケートな肌や敏感肌・乾燥肌など、肌が弱い方でも安心して使うことができ、つらい肌トラブルを改善します。
実際に「ダイアフラジンA軟膏」を使った効果としては、かゆみや赤み(腫れ)などを抑えることができました。
症状が軽めの湿疹や皮膚炎なら早くて2~3日、遅くても1週間で治すことができ、かゆみは塗ってから30分ほどで緩和されると思います。
ただし、炎症を鎮める作用はそれほど強くないので、赤みや腫れなどの皮膚炎がひどいときは、残念ながら効果があまり期待できません。
症状がひどいときは、ステロイドを配合している塗り薬で一気に炎症を鎮めて、良くなってきたら「ダイアフラジンA軟膏」などを使うようにするのがおすすめです。
アトピーなどで皮膚が弱い方でも「ダイアフラジンA軟膏」なら安心して使えるので、軽度の皮膚炎を鎮めたいときにおすすめです。
軟膏なので保湿効果がクリームよりも優れており、肌が乾燥しているときにも適していると思います。
しかし、ステロイドや処方薬よりも炎症を鎮める効果が弱いことから、アトピーの治療を目的として使うのは不向きだと考えられます。
アトピーの症状がひどいときに「ダイアフラジンA軟膏」使うのであれば、一時的に炎症を緩和するために使うようにして、なるべく早めに専門医を受診するようにしましょう。
また、ニキビへの使用については、赤みや腫れを抑えることはできると思いますが、アクネ菌などの原因菌を殺菌する効果がないので、根本から治すことができません。
治ったと思ってもニキビがまた出来てしまったり、かえってひどくなる恐れもあるので、ちゃんとニキビを治すなら専用薬を使いましょう。