ジョンソン・エンド・ジョンソンから販売されている「テラコートリル軟膏」は、ニキビを治したり、ニキビ跡を消す効果があるのか?
インターネットで調べると、「テラコートリル軟膏」に関するさまざまな情報が書かれています。
実際に使用してみた感想(口コミ)を紹介したいと思います。
効果についてだけでなく、副作用や使用上の注意なども詳しく解説してるので、ぜひ参考にしてください。
テラコートリル軟膏とは?
「テラコートリル軟膏」は、優れた抗炎症作用を示すヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)とグラム陽性菌および陰性菌などに広い抗菌力を示すオキシテトラサイクリン塩酸塩を配合しています。
化膿をともなう湿疹、皮膚炎、めんちょう、毛嚢炎などにも効果的なので、幅広い用途で使用できる塗り薬です。
病院で処方してもらえる薬(デュアック、ダラシン、ゼビアックス等)より効果が劣るものの、「赤ニキビ」に対して高い効果を発揮します。
医師によってはニキビへの使用を推奨しており、炎症(赤み)を抑える効果が優れているため、市販薬の中でも人気が高い商品です。
また、ドラッグストアや薬局に売っていない場合は、「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」といった通販サイトで安く購入できます。
送料・手数料無料のお店も多いので、近くのドラッグストアに売ってなかったり、買いに行くのが面倒だという方にはおすすめです。
テラコートリル軟膏の強さ
ステロイド外用薬は、Ⅰ群~Ⅴ群に分類されており、成分によって強さ(効き目)が大きく異なります。
ステロイドの強さ一覧
Ⅰ群 | Strongest | 最も強力 |
Ⅱ群 | Very strong | かなり強力 |
Ⅲ群 | Strong | 強力 |
Ⅳ群 | Medium | 中程度 |
Ⅴ群 | Weak | 弱い |
「テラコートリル軟膏」に配合されているヒドロコルチゾンは、強度が5段階ある中で5番目(Ⅴ群 弱い)の強さのステロイドです。
Ⅴ群のステロイドは、作用が穏やかで副作用も比較的起こりにくいため、皮膚が弱い方や小さな子供に対しても使用できます。
また、皮膚科で処方されることの多い「リンデロンVG」の強さは、3番目(Ⅲ群 強力)のものになります。
Ⅲ群~Ⅴ群の強さに分類されているステロイドは、顔や首、陰部などの特にデリケートな部位には使用できません。
※皮膚の部位や症状の程度によって、ステロイドは使い分けられます。
以前に処方された「リンデロンVG」が余っているからといって、自己判断で安易に使用しないでください。
顔や首などの部位は皮膚が薄いため、ステロイドの吸収率が高く、副作用もあらわれやすいので注意が必要です。
ニキビはさまざまな部位にできますが、皮膚の厚さ(吸収率の高低)に応じて、適切な強さのステロイドを選びましょう。
ニキビに効果あるって本当?
「テラコートリル軟膏」は抗生物質に加えて、ステロイドも配合しているため、ニキビに対して優れた効果を発揮します。
ニキビの原因菌であるアクネ菌、マラセチア菌の増殖させず、ニキビの生成・悪化を防ぎます。
皮膚の炎症を抑える効果が高いので、目立って気になるニキビの赤みを早く消すことができます。
ただし、ニキビが悪化して症状がひどくなってしまうと、「テラコートリル軟膏」の効果は期待できません。
特に「黄ニキビ」や「紫ニキビ」まで進行した場合は、セルフケアで治すのは難しく、ニキビ跡が残りやすくなるので注意が必要です。
無理やり膿を出そうとしたり、汚い手で触ったりすると、肌にダメージ(刺激)を与えてしまい、ニキビ跡が残る可能性がさらに高くなります。
また、患部は常に綺麗にして清潔な状態を保つことが重要です。
テラコートリル軟膏の使い方
「テラコートリル軟膏」の使い方は、1日1~数回、適量を患部に塗布するかガーゼなどにのばして貼付してください。
私は朝晩(1日2回)の洗顔後、化粧水を浸透させて肌に潤いを与えた後に、塗るようにしています。
軟膏なので多少ベタつきはありますが、肌なじみがいいのでそれほど気になりません。
寝る前に使用する場合は、ガーゼやコットンを上から当てることで布団に付着するのを防止できます。
どのくらい使えばニキビを治せるの?
比較的軽度のニキビを治療するために使用したときは、3~4日ほどで赤み(腫れ)が目立たなくなりました。
塗り始めてからニキビがある程度綺麗になるまでは、約1週間かかりましたが、ほぼ完治することができました。
市販薬の中ではニキビへの効果が高いので、通常の赤ニキビを治療するのであれば、十分な強さがあります。
※ニキビを治すための期間は、肌質(体質)や生活習慣などの個人差や症状の程度によって大きく異なります。
ステロイドを長期使用すると、ニキビの原因菌に対する抵抗力が弱くなったり、酒さ様皮膚炎などの副作用が起こる可能性もあります。
ニキビを治すために使用していたはずだったのに、逆効果になってしまうこともあるので、短期間の使用にとどめ、長期使用は避けましょう。
「テラコートリル軟膏」を5~6日間使用してもニキビが治らない(症状が悪化した)場合は使用を中止し、できる限り早い段階で医師に相談してください。
ニキビが悪化したら病院へ行く
症状が軽度のニキビなら、「テラコートリル軟膏」を使用することで完治させることも充分に可能です。
しかし、赤ニキビが悪化(進行)して「黄ニキビ」や「紫ニキビ」になってしまうと、塗り薬だけでは症状を抑えられません。
ニキビが悪化したときの対処法として、病院やクリニックでは、塗り薬や内服薬を併用しながら、治療を進めていきます。
そのため、ニキビが腫れて痛かったり、膿や血がたまっているときは、「テラコートリル軟膏」で治すことがほとんどできません。
できるだけニキビ跡を残さないためにも、無理にニキビを潰したりせず、悪化したときは病院で適切な治療を行うようにしましょう。
ニキビ跡を消すことはできるの?
結論から言えば、「テラコートリル軟膏」を使用してもニキビ跡を消す(治す)ことはできません。
ニキビ跡を消す(薄くする)ためには、「ヘパリン類似物質」や「ビタミンC」などの成分を毎日使う必要があります。
しかし、「テラコートリル軟膏」の有効成分は、ステロイドと抗生物質の2種類で構成されているため、ニキビ跡を消す効果は期待できません。
しかもニキビ跡を消すには長期間かかってしまうので、そもそも「テラコートリル軟膏」は向いていません。
そのため、ニキビ跡を消したい!目立たないようにしたい!という場合は、「アットノン」や「ヘパリンZクリーム」、「アトキュア」などの市販薬がおすすめです。
ニキビ跡が残ってしまっても、傷あと・やけどあとの改善治療薬を使用することで、治療することができます。
また、美容効果で話題になっている「ヒルドイド」にも同じ成分が配合されているので、ニキビ跡を改善する効果が期待できます。
これらの医薬品は即効性がないため、ニキビ跡(色素沈着)を消すには時間がかかります。
ニキビ跡が消えるまでの時間は、早くても数ヶ月、遅ければ数年かかることもあり、さらに毎日しっかりと使い続けることが重要です。
軽度な症状なら時間をかければ治せますが、クレーター肌になってしまった場合は、セルフケアで治すのはほぼ不可能です。
クレーター肌を治すためには、病院やクリニックで特別な治療を受ける必要があり、保険適用外なので治療費も高額になります。
ニキビ跡を残さないためにも、ニキビの症状が軽いうちにしっかりと治すようにしましょう。
ニキビ治療にステロイドを使うときの注意点
ステロイドとは?
ステロイドは、体内にある「副腎」で作られる副腎皮質ホルモンの一つです。
治療薬として使われているステロイドは、抗炎症効果や免疫抑制効果がある「糖質コルチコイド」と言われる副腎皮質ホルモンを人工的に合成したものです。
ステロイドには炎症を抑えたり、体の免疫力を制御する作用があるので、さまざまな病気の治療薬として使用されています。
外用薬(塗り薬)、内服薬、注射、点鼻薬、点眼薬、吸入薬など種類も豊富ですが、ニキビをはじめとする皮膚疾患に使われるのは塗り薬がほとんどです。
症状が悪化している場合は、ステロイドを注射で体内に投与することもあります。
ただし、ニキビや吹き出物などの症状を抑える(応急処置をする)ためのものなので、根本的な解決にはなりません。
長期間使用すると、感染症に対する抵抗力が弱まったり、皮膚の毛細血管が広がって肌の赤みが増すなど、副作用のリスクもあります。
ニキビを根本的に治すためには、医薬品に頼るだけでなく、普段のスキンケアや生活習慣を見直すことが重要です。
医師によって意見が分かれる
私がよく行く皮膚科では、ニキビ治療にステロイドを使うのは避けた方がいいと言われます。
「テラコートリル軟膏」にもステロイド(ヒドロコルチゾン)が配合されているため、医師によっては「ニキビに対して使用しないように」と注意されます。
ただ、ニキビを治すためにステロイドを使うかどうかの判断は、症状の程度や受診した皮膚科によって異なります。
※私の経験上、ステロイドが処方されることはほぼありませんが、症状の程度によって必要になる場合もあります。
ニキビを治すときは、ステロイドを使用せずに「アクアチム」や「ダラシン」などの抗生物質で治療するのが一般的です。
しかし、ニキビの赤みは目立ちやすく気になりやすいため、赤み(炎症)を抑えるためにステロイドを使用する方も多くいます。
ニキビとステロイドは相性が悪く、ニキビの悪化を招いてしまったり、できやすくなることもあります。
ステロイドは、皮膚の免疫を抑制する作用があるので、ニキビの原因菌に対する抵抗力が弱まってしまいます。
ステロイドを長期使用すると、ニキビが悪化したりできやすくなるので注意が必要です。
受診した病院でステロイドが処方された際は、医師の指示に従って正しく使ってください。
また、「テラコートリル軟膏」はステロイドだけでなく、抗生物質(オキシテトラサイクリン塩酸塩)も配合されています。
そのため、多少のリスクはありますが、ステロイドだけで構成されている医薬品よりは安心して使うことができます。
「テラコートリル軟膏」を使用してニキビが悪化したり、皮膚に異常があらわれた場合は、すぐに病院へ行きましょう。
悪化したニキビにはステロイドが使われる
ニキビの症状が軽度の場合は、ステロイドを使用せずに抗生物質で治療することがほとんどです。
私自身もニキビ治療にステロイドを使うことは滅多にありませんし、お客様に薬の説明をするときも推奨していません(※症状の程度による)。
しかし、ニキビが悪化して痛みやかゆみなどの症状がひどい場合は、ある程度良くなるまでステロイドが使われることもあります。
特に赤ニキビが悪化して赤紫色になっているニキビ(紫ニキビ)は、抗生物質だけで治せないことが多いです。
ニキビの中で最も重症とされる紫ニキビまで進行した場合は、ステロイドの注射薬を使用することもあります。
また、黄ニキビや紫ニキビまで悪化してしまうと、「テラコートリル軟膏」で治すことは困難になります。
症状が良くならないにもかかわらず、そのまま使い続けてしまった場合、ニキビの悪化を招いてしまうおそれもあるので注意が必要です。
あまりにも症状がひどくなると、医薬品では治すことができなくなってしまうため、ニキビを切開して血や膿を取り出すこともあります。
ニキビを切開して治す方法は、麻酔をしていても激痛が走るほどとにかく痛いので、悪化する前に病院へ行きましょう。
顔全体に塗らないように注意!
「テラコートリル軟膏」は、数個程度のニキビを治したいときに適しています。
しかし、ニキビが大量に発生している場合は、全部のニキビを治すことが難しく、治療も長期的になってしまうので不向きです。
ステロイドを長期間使用すると、副作用のリスクが高くなってしまうので、1週間程度の使用にとどめましょう。
ニキビが大量発生しているときは、治ったと思ってもすぐに再発したり、さらに広範囲になることもあります。
白ニキビが炎症を起こし、赤ニキビに悪化しやすくなっているので、白ニキビを治療することが必要です。
しかし、白ニキビに「テラコートリル軟膏」を使用しても効果がなく、ニキビの発生を防ぐことができません。
また、ニキビが繰り返しできる状態になると、「テラコートリル軟膏」で治療することは困難です。
白ニキビを治療するためには、ビタミンA誘導体やホルモン治療、光線療法などによって、皮脂分泌を抑えることが有効です。
ニキビが大量発生していたり、痛み(腫れ)がひどい場合は、なるべく早めに病院へ行くようにしましょう。
副作用に注意!使い続けるのはNG
ステロイド外用薬(塗り薬)は、使用した部分にだけ効果があらわれるように開発されています。
全身に作用してしまう内服薬と比較すると、外用薬は副作用が起こりにくいメリットがあります。
しかし、顔や首などに強力なものを使ったり、長期使用するなど、間違った使い方をした場合は、副作用があらわれることがあります。
ステロイドの副作用には以下のような症状がみられることがあります。
- 毛が伸びて濃くなる
- 肌の皮膚が委縮したり、薄くなる
- 肌の色素が抜ける
- 紫斑ができる
- 皮膚の毛細血管が広がり、肌の赤みが増す
- 皮膚の感染症にかかりやすくなる
ステロイドを長期使用すると、ニキビが治るどころか、ニキビができやすくなることもあり、さらに「酒さ様皮膚炎」や「ステロイドざ瘡」などの副作用が起こる可能性があります。
医師の指示があった場合を除き、漫然とした長期使用は避け、使用が長期にわたる場合は皮膚症状に十分注意してください。
また、「テラコートリル軟膏」を5~6日間(1週間程度)使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、医師又は薬剤師に相談してください。
市販薬は誰でも手軽に購入できる反面、間違った使い方をしている方が多いので、特に注意が必要です。
テラコートリル軟膏についてのまとめ
「テラコートリル軟膏」は、化膿をともなう湿疹・皮膚炎に効果的な化膿性皮膚疾患用薬です。
ニキビに対して効果があると言われており、医師によってはニキビへの使用を推奨しているため、市販薬の中でも人気があり評判が高い商品です。
実際に「テラコートリル軟膏」を使用してみたところ、軽度のニキビであれば、3~4日程度で赤みや腫れを緩和することができました。
ニキビが治るまでに約1週間程度かかったので、個人差や症状の程度によって異なりますが、1日・2日で完全に治すことはほぼ不可能です。
ただ、ステロイドが配合しされているので炎症を抑える効果が高く、見た目の印象が気になるニキビの赤みを早く消せました。
「テラコートリル軟膏」を使用するときの注意点としては、長期使用すると副作用のリスクが高くなるので、自己判断で使い続けないでください。
なかなかニキビが治らない場合は、病院やクリニックで薬を処方してもらうことをおすすめします。
ニキビの治療によく使われる「デュアック」や「ダラシン」、「アクアチム」などの処方薬は、「テラコートリル軟膏」よりも高い効果が期待できます。
また、昨年1月に「ゼビアックス」という新薬が発売され、ニキビの治療薬として使用されるようになりました。
「ゼビアックス」は、「ダラシン」や「アクアチム」と同様の効果が期待でき、副作用も少ないことから使用頻度が高くなっています。
※これらの処方薬にはステロイドが配合されていないので、ステロイドによる副作用の心配もありません。
※抗生物質を使い続けると「薬剤耐性菌」ができてしまい、薬が効きにくくなる可能性があります。
ニキビ跡を残さずキレイに治すためにも、ニキビが悪化する前に病院で診てもらい、適切な治療を行いましょう。