三宝製薬は、デリケートゾーンの外傷用の軟膏「トフメルA」を、1932年(昭和7年)より全国の薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売しています。
かゆみを止めるだけでなく、生理のときのスレ・ムレ炎症にも効く「トフメルA」の効果や副作用、特長などについて解説していきます。
【すり傷、きり傷、やけど、ひび、あかぎれに】トフメルA
長年愛されてきた家庭の常備薬
日常生活ではちょっとした不注意から、すり傷やきり傷、やけどなどのケガをしやすいものです。
「トフメルA」は、そのような傷口を殺菌・消毒するほか、ひびやあかぎれなどにも効果のある外傷用の軟膏で、家庭の常備薬としておすすめです。
※ステロイドは配合されていません。
商品名
トフメルA
効能・効果
皮膚の殺菌・消毒、やけど、すりきず、きりきず、刺傷、ひび、あかぎれ、しもやけ
用法・用量
1日1~2回、適当量を患部に塗布又は塗擦してください。
用法及び用量に関する注意
- 小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させてください。
- 目に入らないよう注意してください。万一、目に入った場合には、すぐに水またはぬるま湯で洗ってください。なお、症状が重い場合には、眼科医の診療を受けてください。
- 外用にのみ使用してください。
成分・分量(100g中)・働き
成分 | 分量 | 働き |
---|---|---|
酸化亜鉛 | 8g | 皮ふのたんぱく質と結合して被膜を形成し、収れん、消炎、保護並びに緩和な防腐作用があり、傷などを乾燥させます。 |
dl-カンフル | 0.5g | 皮ふの血行をよくし、炎症をしずめる他、かゆみをおさえます。 |
クロルヘキシジン塩酸塩 | 0.2g | 細菌の感染を防ぎ、傷口の悪化を防ぎます。 |
- 添加物
- 精製ラノリン、ワセリン、グリセリン、ミツロウ、アルコール、三二酸化鉄
製造販売元
三宝製薬株式会社
容量・メーカー希望小売価格
容量 | 希望小売価格(税抜) | JANコード |
---|---|---|
15g(チューブタイプ) | 880円 | 4961248005768 |
40g(ジャータイプ) | 1,350円 | 4961248009001 |
リスク区分
第2類医薬品
トフメルAの特長
酸化亜鉛は創傷面やただれなどのびらん面の分泌物を吸収・乾燥させ、治癒を早め、被膜を作って患部を保護します。
dl-カンフルは皮ふの血行を良くし、炎症・かゆみを鎮め、広範囲抗菌スペクトルの塩酸クロルヘキシジンは細菌の感染を防ぎ、人の皮脂に近いとされる精製ラノリンは患部の分泌物を吸収し、そこに留めて治癒を早めます。
乳幼児からお年寄りまで安心して使用でき、家庭の常備薬として重宝します。
トフメルAの効果的な使い方
すり傷、きり傷、刺傷
大きな異物は取り除き、水道水で洗ってからトフメルAを厚く塗ったガーゼや脱脂綿などをあて、包帯をします(1日1回の交換で十分です)。
救急絆創膏を使うときは、ガーゼ部にトフメルAを塗って使用してください。
皮膚の消毒・殺菌
患部の汚れを洗い落とし、トフメルAをしずかにすり込むか、又はガーゼなどに厚めに塗って貼ってください。
ガーゼには傷口の血液、分泌物、膿などが吸着され、トフメルAがより効果的に作用します。
床ずれ(きず、殺菌・消毒)
ガーゼなどに厚く(10円玉2~3枚位の厚さ)のばして患部にあててください。
患部がただれているとき又は化膿しているようなときは、抗生物質等を配合した軟膏を先に塗布してから、その上にトフメルAを重ねてください。
やけど
早目に手当てするほど効果的です。
患部を冷水で痛みがなくなるまでよく冷やしてください(但し30分以内)。
水泡があるときは、つぶさないで、ガーゼや脱脂綿などにトフメルAを厚く(10円玉2~3枚位の厚さ)のばし、患部に対し広めにあててください。
日焼け(やけど)
海水浴等での日焼けによる痛みに塗布してください。
ひどい場合はやけどの処置と同様の方法で使用してください。
かかとなどのひび
寝る前にかかとなどにトフメルAをよくすり込んでください(片手3分位)。
ひどいときはよくすり込んだ後に更にトフメルAをたっぷり塗布し、靴下を履いて寝ましょう。
洗剤等によるあかぎれ
寝る前に手にトフメルAをよくすり込んでください(片手3分位)。
ひどいときはよくすり込んだ後に更にトフメルAをたっぷり塗布し、綿等の手袋をして寝ましょう。
しもやけ
皮膚欠損がなく、腫れてかゆみのある場合には、こまめにトフメルAをすり込みながらマッサージしてください。
おむつかぶれ(殺菌・消毒)
患部を清潔にし、ガーゼや脱脂綿などにトフメルAをのばして患部に貼ってください(トフメルAは尿から皮膚を守る)。
ひどいときは少し多めに使用してください。
数日間使用しても良くならない、又は悪化した場合はカンジダなどの感染症の可能性も考えられます。
オロナインH軟膏との違い
皮膚疾患・外傷治療薬といえば「オロナインH軟膏」が最も有名ですね。
「トフメルA」と「オロナインH軟膏」の効能効果はよく似ていますが、有効成分が大きく異なります。
「トフメルA」は皮膚を保護する作用のある酸化亜鉛、かゆみや炎症を鎮めるdl-カンフル、殺菌成分のクロルヘキシジン塩酸塩の3つの有効成分を配合しています。
一方、「オロナインH軟膏」の有効成分はクロルヘキシジングルコン酸塩だけなので、効果は「トフメルA」よりも多少劣ります。
ただし、「トフメルA」はdl-カンフル(冷感刺激成分)を含んでいるので、スーッとした清涼感が苦手という方には「オロナインH軟膏」がおすすめです。
また、価格面では圧倒的に「オロナインH軟膏」のほうがコスパに優れています。
これら2つの価格を比較すると、以下のようになります。
商品名 | 容量 | 希望小売価格(税抜) |
---|---|---|
トフメルA | 15g(チューブ) | 880円 |
40g(ジャー) | 1,350円 | |
オロナインH軟膏 | 11g(チューブ) | 300円 |
30g(瓶) | 440円 | |
100g(瓶) | 940円 | |
250g(瓶) | 1,800円 | |
500g(瓶) | 3,200円 |
※販売価格は店舗によって異なります。
これだけ価格差もあるので、自分の症状に合うものを購入するようにしましょう。
使用上の注意
相談すること
1.次の人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
- 医師の治療を受けている人。
- 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人。
- 患部が広範囲の人。
- 深い傷やひどいやけどの人。
2.使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を中止し、製品の説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
関係部位 | 症状 |
---|---|
皮ふ | 発疹・発赤、かゆみ |
3.5~6日間使用しても症状の改善がみられない場合は使用を中止し、製品の説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
保管及び取り扱い上の注意
- 直射日光の当たらない、湿気の少ない涼しい所に保管してください。
- 小児の手のとどかない所に保管してください。
- 誤用をさけ、品質を保持するために、他の容器に入れかえないでください。
- 使用期限をすぎた製品は服用しないでください。
トフメルAについてのまとめ
「トフメルA」は、1932年に販売を開始し、50年以上愛されているロングセラー商品(外傷用の軟膏)です。
「酸化亜鉛」「dl-カンフル」「クロルヘキシジン塩酸塩」の3つの有効成分の働きにより、すり傷、きり傷、やけどなどのケガにすぐれた効果をあらわします。
さらに、さまざまなケガによる傷口を殺菌・消毒するほか、ひびやあかぎれ、床ずれ、日焼け跡、おむつかぶれなどにも効果を発揮します。
乳幼児からお年寄りまで安心して使えるので、常備薬として家に一つ置いておくと便利です。
ただ残念ながら、「トフメルA」の効果はそれほど強くないので、症状がひどい場合は効果があまり期待できません。
5~6日間使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
なお、使用中又は使用後に、発疹・発赤、かゆみ等の異常があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を中止し、早めに皮膚科を受診するようにしましょう。
そのまま使用を続けると、症状を悪化させることがあります。